昔であれば、鍼灸は身体に痛みのある人だけが利用するというイメージでした。
しかし、今では痛みなどがなくても、身体の内部の調子を整えて美しくなろうとする美容法として利用する人も増えています😊
そんな鍼灸とは一体どのようなものなのでしょうか。また、似たようなものにあん摩・マッサージ・指圧がありますが、何が異なるのでしょうか。
その違いや効果についてお伝えします💁🏻♀️
鍼灸って一体どんなもの?美容に対する効果は?
鍼灸は、東洋医学において中心的な存在となっているものです。
現在、病気になったりケガをした時にお世話になっている内科や外科などは、明治時代以降にヨーロッパから伝わった西洋医学です。
一方で、それより以前から日本や中国において行われていた医学を東洋医学と言います。
東洋医学の薬物療法では、草木の根っこや皮を煎じて利用する漢方が使われます。
そして、直接身体の痛みを緩和したり、悪い箇所を治すための方法として鍼灸が用いられるのです。
鍼灸とひとまとめにして言うことが多いですが、実際には鍼(はり)と灸(きゅう)に分かれています。
鍼は細い人の毛髪くらいの太さの鍼を身体の悪い箇所やそれに繋がる箇所に刺して刺激し、治療する方法です。
非常に細く、しかも先端が特殊な角度になっているため、人体に刺した時にも痛みはほぼ感じません😳
また、近年では一回使い切りの鍼が使われることがほとんどで、衛生的にも安心して治療を受けることができるようになっています。
灸はヨモギを原料としたもぐさを身体の上に置き、そこに火をつけて間接的に身体を刺激する方法です。
もぐさと身体の間に更にニンニクやショウガを敷くこともあり、熱いとまで感じることはほぼありません。じんわりと温かく、気持ち良いと感じることがほとんどです🧖🏻♀️
では、鍼灸でなぜ身体の悪いところが治るのでしょうか。
それは東洋医学上存在するとされるツボを刺激することで、滞っていた気や血が身体を巡るようになるからとされています。
東洋医学においては、全身は経絡(けいらく)によって繋がっているという考え方がなされます。
この経絡とは連絡網のようなものですが、血管とは異なります。
この経絡の考え方によって、例えば刺激したのが足のツボであったとしても、内臓に働きかけて機能を改善することが可能になります。
つまり、直接内臓を触らなくても治療はできるということです。
このような考え方を美容にも利用したものが、最近よく聞く美容鍼です。
顔のシワやシミは、筋肉や細胞の衰えだけでなく、内臓機能の衰えも原因として考えられます。
そこで、その内臓に関連するツボの各所を鍼灸で刺激することによって、シワやシミを改善できると言われています💆🏻♀️
あん摩・マッサージ指圧はどんなもの?
あん摩は中国で生まれて日本に伝わった東洋医学の治療法です。按摩とも書きます。
按はおさえることで、摩はなでることです。
この使い分けをして気と血の巡りを良くし、身体の悪いところを治療していきます。
マッサージ指圧は鍼灸やあん摩と比べるとやや歴史は浅く、大正時代に生まれました。あん摩や導引術、柔道などの考え方や技を合わせた方法です。
近年、海外でも「SHIATSU」として認知されるほど人気が出ています。
このマッサージ指圧はかなり独特な治療方法で、親指の腹を使って皮膚に一点圧をかけるのが基本です。
これによって体内の気の滞りを解消し、身体の免疫力を高めたり、筋肉を緩めたりします。
鍼灸と同様にあん摩やマッサージ指圧も悪い箇所だけに注目するのではなく、身体全体の気血の流れとして捉えることもあります。
鍼灸師やあん摩・マッサージ指圧師になるための方法と治療院の選び方
鍼灸もあん摩・マッサージ指圧も東洋医学の考え方にのっとって、身体を全体的に診て根本的に治療していく方法です。リラクゼーションやエステとは少し異なります。
そのため、鍼灸師やあん摩・マッサージ指圧師になるためは、専門的な勉強をして国家資格を取得する必要があります👓
鍼灸師は、鍼と灸で更に別々の国家試験に分かれています。
両方に合格している人を鍼灸師と呼び、厚生労働省と文部科学省によって定められた専門学校や大学で3年以上勉強することが国家試験受験のための要件です。
あん摩・マッサージ指圧師も同じように、厚生労働省や文部科学省が定めた専門学校や盲学校で3年以上学ぶことが必要です。そして国家試験に合格することで、晴れてあん摩マッサージ指圧師になることができます。
治療を受ける側である場合、こうしたことを踏まえて治療院を選ぶようにすることも大切です。
そもそも資格があるかどうかは勿論ですが、医学的な知識も持った上での説明があるか、身体全体を根本的に診るために問診を丁寧に行ってくれるかなどに注意して、治療院を選んでくださいね🙂